こんにちは♪
　あま歯科クリニックのFです!

　歯医者では診療時、「レントゲン撮影」や「歯型採取」、「治療状況等を記録した医療カルテの 作成」などを行っています。
　みなさんは、そんなお口の中の情報が、実は災害現場の役に立つことがあるって知っていましたか? 🧐
　一見、災害現場と聞けば、お口の中を怪我したときに情報が必要なのかな?と思われるかもしれませんが、そうではありません。
　災害現場における歯科情報の有用性とは、ずばり!
「行方不明者の身元確認時における、重要な資料」という点です。
要するに、お口の中の情報から「この人は誰か?」を特定できる、ということです。

　指紋から個人を特定できることは、刑事ドラマでも見たり聞いたりしたことがあると思いますが、実はお口の情報、とりわけ、歯の情報も個人を特定する手段として、とても有効です！

　それは、歯が乳歯列で20本、永久歯は親知らず含め32本もあって、その形や並び(抜歯後も含め)が近似するというケースは、極めて少ないことが理由に挙げられます。
　また指紋は、ご遺体の腐敗も しくは損傷の程度が大きければ判別が難しくなりますが、歯は人間の身体の中で最も硬度が高い ため、他の身体部位に比べ、災害時も形状が残りやすく、長期的な面からみても、情報としての 価値が高いという特徴があります。
　ですから、捜索が難航しやすい大規模災害などでは、身元確認作業が長期化しやすい傾向にあり、より歯の情報は重要視されています。
　実際、東日本大震災では、歯科医院で記録した歯の情報が、身元不明者の特定に繋がっている例があります。

　では、お口からどうやって「誰か」を調べるのか?
　具体的に言うと、まず警察から身元不明者に関する情報提供がなされ、歯科医師がご遺体のお口の中を確認します。そこで得た情報をもとに、
　🟢歯の劣化やすり減り状況からおおよその年齢を探る
　🟢歯や顎の大きさから男女の別を視る
　🟢治療の痕跡から、当医院を受診した該当患者さんがいないかを調査する
といった流れになります。
　もちろん、歯の情報だけで判断するのではなく、DNAや居住状況など、総合的な調査をもってして最終的な判断となり、個人の特定に繋げます。
　
　歯医者としては、一人でも多くの方にお家に帰っていただきたいという思いから、お口の情報が、少しでも行方不明者発見の手助けになることを期待しています。

　また、現場に赴きこれらの作業を行うのは、主に警察歯科医と呼ばれる専門の研修を受けた方々ですが、我々も、町のクリニックとして、多くの患者さまの情報を有している以上、活動には協力する姿勢です。
　同時に、常日頃から患者さま一人ひとりのお口の情報に目をこらし、耳を傾け、これからもより、安心して通っていただけるような歯科医院を目指していきます💪