院長ブログ
2018.12.13
エナメル質形成不全に地域差あり
今日は少し専門的な話になるので、ご容赦ください。
最近の子供たちのお口の中を観察すると「エナメル質形成不全」をよく見かけます。
これは歯の一番外側の部分のエナメル質が欠けたり石灰化が弱く変色することを言います。
左下の写真を見ていただくとすでに萌出途中から形成不全歯ということが明らかで、右下の写真では萌出後間もない段階ですでに歯が一部欠けてしまってとても脆弱な歯質だということがわかります。(黄色矢印)
最近の研究ではこのエナメル質形成不全が地域によって差があることがわかっており、西日本で高く東日本で低い西高東低の地域差があるようです。(日本小児歯科学会臨床研究推進委員会による7歳から9歳の健常児童4,985人を対象にした調査から)
原因は…不明。
地域別の有病率を見ると、
北海道(14.0%)、東北(11.7%)、関東信越(18.5%)、東海北陸(19.3%)、近畿(22.3%)、中国(19.8%)、 四国(28.1%)、九州(25.3%)であり
もっとも高いのは四国の28.1%。
つまりおおよそ10人中3人の有病率なので、かなり高いですね。。。
エナメル質形成不全歯の子供たちには定期的に高濃度フッ化物を塗布し、むし歯にならないか注意深く観察をしていますが、定期健診が途切れ一気に歯髄に達するまでのむし歯になってしまった子供も残念ながらいます。
エナメル質形成不全歯はどこまで削ればいいのかの判断がとても難しくまたその後の修復も難しいと感じます。
今後の研究で原因、治療法などが早期に解明されることを望んでいます。
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